過去所持していた本の思い出を書くのは「読書レビュー」として如何なものかと思ったけれども、未だに心に刻まれているので簡単に書いてみる。苦手な方はブラウザバックを推奨する。
確か13~4年前だっただろうか、地元のSCの本屋で鶴見済氏の「完全自殺マニュアル」を購入した。購入した時は店員さんが厳重に梱包してくれたのが記憶に残っているな
。
完全自殺マニュアルは1993年に鶴見済氏が書いてベストセラーとなった。それと同時に内容が過激であるとされて問題作としても知られた作品だ。
内容としては生き辛さからの脱却、自殺方法や事例などが羅列されている。
出版されたのが1993年で、当時と比べると時代が変化している(現代の方が総合的にはかなり悪化しているか)部分もあって古い感じは否めないけれども、生き辛さに関しては今も共通している部分もあるのではなかろうか。
自殺の方法については、様々な手法が紹介されているものの、そこまで詳細なことは書かれていない。あれ以上突っ込んで書くのは流石に難しいだろうが。
こんな感じで自殺方法を調べる為の本としては実用性に欠ける点が目立つけれども、この本の真骨頂は生きやすくしようなのである。あとがきにその点が詳しく書かれているが。とある人物は完全自殺マニュアルについて、「これは自殺する為の本ではない。例えるならば、野球の投手が肩を壊さないやり方について書かれた本である」みたいなことを言っていた記憶があるくらいだし。
あと、実際に自殺された方々がこの本を所持していたという話を度々目にするけれども、俺から言わせると完全自殺マニュアルによって自殺に追い込まれたのではなくて、それ以外の別の要因が大きいのではなかろうか?確かに本の内容は読む人にとっては冷淡で思いやりがないように受け取れるかもしれない。しかし、この本は決して自殺をほう助したり教唆するものではないのだ。
逆に俺が自己啓発やスピリチュアルの本を読み漁ってうつ病を発症して、自殺してしまったらそれらの著者は訴えられるべきだろうか?当然そんなわけはない。その著者が実際にほう助や教唆をしない限りは。
こうした本のみを悪者にして本質から目に背けている限りは何も問題は解決などしない。
今は事情があって本は手元に残っていないし、年数が経って考えが変わった部分はあれども、あとがきに書かれたあの文言は今でも生き続けている。
少なくとも俺はあの本によって延命できた一人なのだろうと今は思う。