久しぶりのブログ更新は映画レビューでも。
この前からずっとレンタル三昧だったけど、まずは一本目から。
それがデビルズダブル。
イラクのフセイン政権時代の独裁者、サダム・フセインの息子のウダイ・フセインの影武者を演じた男のドキュメンタリー映画。
もうとにかくウダイのクズを通り超した狂人っぷりが終始描かれる。自他共にクズと認める俺ですらあり得ない世界を見てしまったと思わされるくらいだから。
冒頭での影武者を断った主人公を拷問した挙句に、家族の命を盾に無理矢理影武者に仕立てるわ、町ゆく若い女性を手当たり次第に拉致するわ、レイプした相手の女性を薬漬けにして殺害するわ、極めつけは新婚したての花嫁をレイプして自殺に追い込んだりと信じられない非道がこれでもかと描かれる。
そこで耐えかねた主人公が脱走を決意して自由を手に入れていくというのが一連の流れ。
この映画の見どころの一つがウダイ・フセインと影武者を一人二役で演じ切っているところだ。狂人の極みと、マトモな感覚をもった青年を同時に演じるといった離れ業をやってのけているのだ。俺だったらウダイを演じた時点で精神的に病みそうだけど。
そして恐ろしいことに、この映画ではウダイによる残虐かつ非道の行いがこれでもかというくらいに描写されているけれども、実際に行われたものの半分にも満たないということ。実際は何人の人を手にかけ、どれだけのことをしたのかは想像もしたくない。
こうして見ていくと多くの人を殺害した独裁者のサダム・フセインの方がマトモな人に映ってしまうくらいだ(実際のサダムは独裁的な恐怖政治を行う傍ら、教育を普及させたり、道路等のインフラを整備したりと政治家としての成果は上げているのも事実)。サダム自身も「生まれた時に殺しておくべきだった」と言っていたくらいだし(それでもウダイを作ったのはアンタだろうが)。
あと、映画の中でウダイはろくに公務も行わずにひたすら女、酒とやりたい放題だったけども、こうした欲望の赴くままに行動するという点では俺も似た点があるだよなあと複雑な気持ちにもさせられたのも事実だ(それでも虐殺とかレイプとかは理解できん)。
最後に、グロいシーンやアダルトなシーンも盛りだくさん(R18指定です)なので、こういうのに平気な人は観てみるのもよいと思う。