ダメ人間にもなれない

PCの画面をクリックするしかできない男の日記

ふたり明日もそれなりに1巻を買って読んで

前回、前々回と辛口、劇毒なマンガレビューとなったので、今回はお口直しの作品を。

それがすずゆきさんのふたり明日もそれなりにだ。くらげバンチにも連載されている。

 

 

ストーリー

 

交際して1年3カ月が経ち、愛田優弥(25)と相原里央(28)は一つ屋根の下のアパートで同棲生活を始める。ふたりのゆるくほのぼのとした生活が描かれる。

 

社会人カップルが主人公

 

社会人カップルを題材にした物語はドラマとか巷で溢れているけれども、この作品は妙に親近感を感じるのだ。特にアラサー世代の人なんかはシンパシーを覚えたりする人が多いのではないかと思われる。俺はその世代を頭2つくらい上回ってしまったが。

 

ギャグ要素はないけど見入ってしまう

 

この漫画には基本的に逆とかお笑い要素とかは殆どない。優弥と里央の生活や、その周りの人間模様がゆったりと描かれるので、一般的な「面白さ」はない。だけど、そのゆるくほのぼのとした生活感が絶妙に描かれていて、不思議と見入ってしまう魅力を持つのだ。

 

悪人のいない世界観

 

この漫画の世界には基本的に悪人は存在しない。せいぜい初対面はギクシャクすることはあっても、物語の最後には何だかんだ言って和解する。優弥と里央以外にも彼らの家族、上司、同僚が出てくるけれども、悪意のある人間がいない。現実的に考えたらある意味不気味なくらいだ。

 

感想

毎週金曜日になると必ずこの作品を読むためにくらげバンチのサイトに訪れていたが、遂に紙のコミックまで手に入れてしまった。話の内容は既にくらげバンチの方で確認済だったけれども、WEB版よりも気持ち綺麗になっている感があった。

そして何よりも癒される。悪人の登場しない世界、女性キャラの可愛さと美しさ(俺は里央の同僚のゆんと沙織が好き)、そして男性キャラ(特に優弥の上司の課長が天使だ)の癒しレベルの高さ。正にユートピアの漫画というべきか。ある意味「麻薬」のような中毒性を持っていると言っても過言ではない。

俺なんかは既に恋愛とかそういうのとは別次元の世界に行ってしまった感があるのだけど、これを読んでいるだけで疑似的に充足感を感じさせてくれるのだ。実際の恋愛は叶わぬ夢で、リアルだとディストピアなんだろうが。

こうした幸せほのぼの系を見ているだけで辛いという人もいるだろう。それでも、何気ない日常や生活感を魅力的に描くのが絶妙だし、決して面白くない話ではあるけれども自然と読者を惹きつけるのがウリだと思う。

なので今は毎週金曜日(くらげバンチの更新日)がささやかな癒しの日になっている。