ダメ人間にもなれない

PCの画面をクリックするしかできない男の日記

ロッキーを観た ネタバレ注意

前回はランボーを観たので、せっかくだから同じシルベスター・スタローン映画のロッキーを観ようと思ったので、思い切ってシリーズをまとめてレンタルしてみた。

 

というわけで第一作目。フィラデルフィアのしがない4回戦ボーイのロッキー・バルボアはボクシングだけでは生活できないので、借金の取り立ても引き受けるゴロツキまがいの生活を送っていた。

 

そんなロッキーをトレーナーのミッキーも冷たく見放していた中、当時のチャンピオンのアポロ・クリードの対戦相手が決まらず難儀していた。そこでアポロ陣営は無名のボクサーを探し出して対戦すれば盛り上がるのではないかと考え、ロッキーに白羽の矢が立った。

 

ミッキーとも和解し、本格的にトレーニングを積んだロッキーのどん底からの挑戦が始まるという流れ。

 

観る前はスポ根のサクセスストーリーじゃないかよと思っていたけれども、実際は人間模様が濃く描かれた作品だということがわかった。例えば主人公のロッキー。こうしたスポーツ映画の主人公と言ったら若手な印象だけど、この当時で30歳を超えていて、ボクサーとしてはピークをとうに過ぎた状態(因みにヒロインのエイドリアンも同じくらい)

 

しかも、最初のロッキーはボクサーにも関わらずカパカパ煙草を吸うというアスリートにあるまじき行為をやってのける。つまるところボクシングに真正面から向わず、真っ当な努力をしていない。ロッキー自身がそんな体たらくだから当然ミッキーも冷遇する。その際のロッキーとミッキーの口論も見どころの一つだ。

 

でもアポロとの対戦が決まった際にミッキーから全面的なサポートをしたいと打ち出される。今までそんざいに扱っておいて虫が良すぎるだろ!とロッキーは怒りを露わに出す。何で今まで自分を助けてくれなかったんだ?と今までの思いもぶちまける。

 

そこでまたしても喧嘩別れになってしまったけども、後からロッキーの方からミッキーを追いかけて行って、和解を申し出る。その際はセリフもなく何を言ったかは観た人間の想像に任せられるけど、それも個人的にグっとくるものがある。

 

あとは恋人のエイドリアンの兄、ポーリーも捨てがたい。どん底から這い上がるロッキーとは対照的に、飲んだくれで自堕落で妹を罵倒したり、勝手にブチ切れたりとダメ人間全開だ。

 

そんなダメ人間だけども、ロッキーを応援する為にスポンサーになったり、色々手を焼いたりする一面があるので憎めない。そこがいい味を出しているのだ。

 

そういった人間ドラマが物語の大半を占め、ボクシングのシーンはラストに集中していて意外と少ない。それでもスタローンが体を張って本気で打ち合い、ダウンしてもまた這い上がる場面は非の打ちどころがない。

 

最後は僅差で判定負けしてしまうけれども、観客はアポロよりも最後まで戦い抜いたロッキーに拍手を送る。それだけでも感動だけど、当の本人はそんな歓声よりもリングに駆け寄ってきたエイドリアンと抱き合い、ただひたすら愛を深める。

 

もうスポーツに興味あるなしに関わらず、見事な人間ドラマだね。しかもこれはシルベスター・スタローン自身が脚本を書いて売り込んだ作品でもあるのだ。その後もシリーズ化されて今に至るから、ロッキーの人生=スタローンの人生といっても過言ではないだろう。