ダメ人間にもなれない

PCの画面をクリックするしかできない男の日記

弱いけど魅力的な男スーパースターマン

先日久しぶりに漫画喫茶に行って、ジャンプに連載されていたヒーローギャグ漫画の「とっても!ラッキーマン」を一気読みしてきた。

実はラッキーマンは小学生の頃読んでいた漫画で、物語の途中で読まなくなってそのままになっており、この度無事読了できたのだ。

 

この作品の中でスーパースターマンというキャラクターが登場する。

 

スーパースターマンとは、人前で目立ちたがる中学生、目立(めだち)たがるが違法のヒーロー製作所によって改造されたヒーローである。

ヒーローとはいっても、ヒーロー協会(この作品に出てくるヒーローはヒーロー協会という組織から認定されないといけない)からヒーロー認定されておらず、空を飛ぶこともできずにひたすら弱い(一般の地球人にも負ける程)。

 

その癖強くなる為の努力をせず(一度だけマトモに修行したことがあるが)、ただひたすら「目立ちたい!」の一心から他のヒーローにつきまとったり(その度殺されかける)、手癖が悪くすぐに他の人の物を盗んだり、他人の手柄を自分のものにしようとしたりと本当にロクでもないキャラだ。

 

そんな彼ではあるが、どうしても憎み切れない魅力もあるのも事実なのだ。

まずは彼の生い立ちである。幼少期に彼と幼い弟と妹を残して両親が蒸発し、それ以後ボロ小屋で極貧生活を送っていた。その貧しさ故に弟と妹が腹を空かせることも多々あり、止む無く万引きに手を染めていた。無論これは犯罪行為であって許されることではないが、上記の手癖の悪さはこうした兄弟愛に起因するのだ。

 

次に生命力の高さである。戦闘力は皆無に等しいが、彼にはどれだけ致命傷を負うようなダメージを受けてダウンこそすれども、時間が経てばまた普通に動けるという超人じみた力がある。これは極貧で過酷な幼少期を生き抜いてきた生い立ちに加え、インチキとはいえ改造手術を受けたことにより、細胞に一度に64個まで分裂するようになった為である。鬼滅の刃の鬼舞辻無惨も顔負けである。

 

そして何よりも決して挫けない精神力である。主人公のラッキーマンは最終的には「ラッキー」で勝利するほぼ無敵のヒーローだけど、作中勝てないと思わしき敵に対しては寝返ったりするなどヒーローとは思えない行為を度々繰り返す(その都度改心しているが)。それに対してスーパースターマンは何度も惨敗したりボコボコにされたりしても味方を裏切ったり勝負を諦めたりすることはない。

 

こうした不死身の生命力に加えて、精神力の強さ(異常なウザさ)も相まってか実力不相応な癖に強敵との戦いにくっついていき、根負けしたヒーロー協会の会長から手書きで汚い字の「ヒーロー認定証」を貰うまでに至るのだ。

 

また、彼とは正反対の性格のヒーローの努力マンとの関係も見どころの一つだ。努力マンは当初努力を全くせずに実力が伴っていないスーパースターマンを弱いと馬鹿にしていた。しかし窮地に陥った努力マンを命を顧みずに助けようとしたり、努力マンの不遇な過去に同情したり、上記の兄弟思いな面を見るうちにいつしか腐れ縁のような関係に変わっていくのだ。

 

このようにどうしようもなく弱くておバカな言動ばかり目立って単なるネタキャラのように見えるけど、何だかんだ言って最後まで他のヒーローや強敵たちの戦い場にしぶとくくっついていって、そして馬鹿にされつつも仲間の一人として認められていく姿は何だか輝かしいものがある。

 

特に俺みたいにダメ属性が強い人間は彼に大いに魅力を感じるのだ。