ダメ人間にもなれない

PCの画面をクリックするしかできない男の日記

ちょうど9年前

日々記憶力がなくなっていくことを自覚しているが、あの時の事は未だに覚えている。

 

2011年3月11日の午後のことだった。俺は仕事で外回りをしていて、社用車でラジオを聞いていた。

 

マグニチュード9.0の地震が発生しました。」

 

俺「は?」

 

その後もひたすら地震の速報が続いた。津波の情報、沿岸に打ち上げられる無数の遺体の数などなど。とんでもないことが日本を襲ったことだけははっきりとわかった。

 

被災地から遠く離れたところに住んでいる身であって、被災されている人達からしたら上級国民みたいな感じに映るだろうが、俺は「泣きっ面に蜂」だなと不謹慎ながら思ってしまった。

当時の俺は仕事でとにかく疲弊していた。元々仕事ができなくて職場でも家でもずっと針の筵状態だった。特に2008~2009年のリーマンショックの頃とかは酷かった。そこにきて東日本大震災と。もうどうにもならない、と。

 

そんな時にネットで注目していたのが、好きなバンドのメンバーが直接物資を被災地に運んだりして支援している姿だった。BRAHMANとかが有名だろうか。

被災した東北の土地にライブハウスを作ろうとして、ライブハウスもできた(俗にいう東北ライブハウス大作戦)し、復興支援ライブ(AIRJAM等)も行われた。

そうしたバンドマン達の行動が心の支えみたいなものになっていたのも事実だった。あれ以来ライブ目的で東北方面に行くようにもなったし。

話は脱線したけれども、「当たり前の生活」というのがどれだけ奇跡で尊いものであるかというのは痛感させられた。

 

あれから9年経つ。いい歳をこいたのに生き辛さは変わらないどころか進行する始末で、年数だけが経って空虚の自分に情けなさを通り越して虚無を感じる。

最近ではコロナウィルスの影響でライブや旅もままならず、かつての旅・ライブ中毒時代の俺だったら確実に発狂していただろう。

 

そんなどうにもならない現状において、かつてのバンドマン達みたいな「ヒーロー」には決してなれない。なので、せめてYAHOOの「3.11」検索とか、雀の涙の募金などといったできることをやっていく。成長してないと言われればそれまでだが、そうしたことを断続的にでもやっていければいいいと今は思う。