ダメ人間にもなれない

年金、福祉のない超低資産の老後生活

とあるライブハウスに行った時の話

あれは約11年前だろうか。俺の記憶が正しければ初めて行ったライブハウスになるのかもしれない。それ以前にフェスには何回か行ったことはあっても、ライブハウスに行ってライブを観るということはなかった。当時は敷居が高かったのだ。狭い空間でとっつきにくそうな人達が多そうだったので。

 

キャパは大体300人くらいだけど、客はその半分もいないくらい。もしかすると100人にも満たなかったかもしれない。後方は人がそれなりに密集していたけれども、前方の方はスカスカ感があるくらいだった。客の年齢層は当時20代だった俺と同じか少し上の世代が殆ど。

 

ライブは対バン形式で、メインバンドの前座に3バンドが演奏する形式。その中のトップバッターを飾ったバンドがライブ会場のオーナーがボーカルを務めるバンドだった。

確かメンバーのギタリストが都合によって出演できなくなった為、ギターもやることになったことは覚えている。

演奏は上々であったけれども、何よりもスピーカーからの轟音に度肝を抜かされた。フェスでの演奏は聴いていたが、フェス会場よりも狭い空間で鳴らされる音はそれとは比較にならないくらい大きかった。特にスピーカーの前にいると耳がやられて翌日朝にならないと治らないくらいに。

 

そして何よりもその時のオーナーのMC(演奏の合間に行うおしゃべり)が未だに忘れられない。

「俺は自殺しようとする人たちを助けることはできない。俺も過去に自殺を考えたこともある。それでも、借金まみれの俺でも、輝いてやっていけるということは見せつけていきたい」

あれから時間が経っているので細かいところは違っているだろうが、このような内容であったと思う。当時はブログで何度か書いたこともあるが、仕事の面で精神的に不安定でどうにもならない状態であったけれども、あのMCで瞬間的ではあるけれども「何とか踏みとどまろう」と思うことができた。

 

それからライブ、フェスに行く頻度が高くなり、最早高いお金を払った精神安定イベントになっていった。人生を変える程ではないが、命を取り止めてはいた。

 

あれから11年。心境の変化などでライブに行く頻度は下がり、更に現在のコロナの影響でいつライブが観れるのかが不透明な状態だ。もしかすると以前のようなライブは完全になくなる可能性も高いのではないかと思うくらいだ。そして、そのライブハウスも危機的状況に陥っている。

 

人生をどうすることもできなかった俺ではあるが、せめてネット上での寄付をするか、通販で物販購入でもしておこう。

それぐらいでいいのだ。