ダメ人間にもなれない

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反省させると犯罪者になりますを読んで

以前、黒バス事件のことをググっていた時に知った本だけれども、個人的には今年出会った本の中でもMVP級の良書だと思う。

 

それが、岡本茂樹氏の著作「反省させると犯罪者になります」である。

 

岡本氏は刑務所の受刑者の構成支援をされている方。そこで殺人等を犯した受刑者との接触等を得て、とある事実に気付いた。

 

それは、犯罪者を反省させてはいけないということだ。これを聞くとはぁ!?となる方が多いだろう。俺も当初は驚いた。だけど、これには理由があるのだ。

 

なぜなら、真っ先に犯人の非を追及して反省を強制しても、犯人は反省をするフリが上手くなるだけであり、根本的な問題解決に至らないからである。そして何よりも、人は誰でも問題行動を起こしたときには反省よりも先に後悔の念が出てくる心理があるということだ。

 

そこで岡本氏は更生プログラムにおいて、受刑者に対して犯した罪の反省文ではなく、実際に思っていること、被害者への思いを自由に書かせる。 「被害者の方に非がある」だの、「自分は正しいことをしただけ」などといった被害者が聞いたら発狂するようなことも吐き出させる。

 

一見狂気のプログラムのようだけど、まずは受刑者の本音を洗いざらいにして、その本質と向き合わせるのが狙いなのだ。そうしていくと、常人には到底理解しがたい動機でも、元を辿っていけば幼少期の生い立ちであったり、過去に受けたいじめが原因であることが浮かび上がってきて、犯行に至ったのは彼らなりの理由があることを理解させる。

 

そうした根本にある原因を突き止めた上で、あの時どうすれば良かったのか、どんなサポートを受けるべきだったのかといった具合に受刑者を受け止めて、そこから初めて本当の更生への道が始まるというものだ。

 

言われてみると確かにそうだ。黒バス事件の犯人も、裁判中の言動だけを見ているとどんな狂人なんだ?となったけれども、後に彼の冒頭陳述書を読んでいくと、幼少期に両親に理解してもらえず、虐待同然の扱いを受け、小学校でも徹底していじめられて自己肯定感を破壊された根本的な要因がある。

 

teinousennin.hatenablog.com

 

 

それをスルーして、刑務所にぶち込んで反省させておしまい!というやり方では前述の通り「反省するフリがうまくなるだけ」になってしまう。罪を償わせるのは正しいが、問題の上っ面だけを見て話すのは誰にでもできる。

 

自分の過去を思い出して重ねてみても、周囲に気持ちを受け止めてもらえなかった、自己肯定感をうまく形成できなかったのが現在の自分の根本にあるんじゃないかと思っている。

 

それだけ幼少期の「しつけ」だったり、周囲の環境というのは大きな影響を与えるし、重要なことだ。そして生きづらさの問題解決には、その人の根本や本質と向き合う必要があるのだ。

 

前回の黒バス事件の陳述書と並んで、教育の為の良書だと俺は思う。